下戸の私にとっては、天のおぼし召しかと思うくらい幸運な金武先生との出会いであった。月に2~3回のペースで先生の事務所へ呼ばれて楽しい時間を過ごさせてもらった。同郷の後輩と九州弁で色々なこれまでの人生体験を話すのは先生も楽しかったのだろう。酒はないがいつも会話はとぎれることなく盛り上がった。
人生経験だけではなく、仕事のことでも貴重なアドバイスを受けた。その中でも相続税申告書の書き方についてのアドバイスは忘れられない。おもむろに、相続税の申告書を持ち出して「辻君、この申告書を見てみろ」と言われ、分厚い申告書を開くと、すべて先生自身の達筆な字で書かれた申告書であった。申告内容の詳細な説明もすべて手書きである。
その当時、先生の事務所でも『コンピューター会計』は導入されていたが、相続税の申告書だけは、すべて先生が手書きをしていた。「コンピューターの印字では、納税者の心が税務署に伝わらない。俺は自分の手で心をこめて作った申告書を税務署へ提出する。」それが先生の教えだ。
確かに、きれいに印字されたコンピューターの字より、人間が自筆で書いた字の方がぬくもりがあり、読み手の税務署にもその心は伝わるはずだ、と私自身も実感した。
昨今、色々と電子化が進む中、手書きは無理だとしても『心をこめて申告書を作れ』という先生の教えは、今も私自身の仕事の理念となっている。
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